「女性が自分のために手に入れるジュエリー」を目指して。ポメラートが上海でエキシビション「ART & JEWELRY」を開幕

ダイナミックなデザインを特徴とするジュエリーメゾン、ポメラート。ミラノで創業した1967年から現代までの革新的な歩みを辿るエキシビジョン「Art & Jewelry: Pomellato's Legacy of Creativity and Craftsmanship, From 1967 to Today.」が中国・上海にて開催された。その模様をヴォーグ エディターがレポート。

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1967年、金細工職人の家系を継いだピノ・ラボリーニによりミラノで設立され、自由で大胆な創造性と確かなクラフツマンシップが融合したデザインで、ジュエリー界でも独自の地位を築くポメラート。常にその時代の女性たちに相応しいジュエリーを提案し続けるブランドの、創立から現在までの歩みを辿ったエキシビション「Art & Jewelry: Pomellato's Legacy of Creativity and Craftsmanship, From 1967 to Today.」が11月24日まで開催しています。そのオープニングイベントにポメラートから招待を受け、会場のある上海へと出発しました。 上海で初となるエキシビションを開催したポメラート。会場は外灘にある、曲線を多用した外観が特徴のフォースン財団です。オープン前日の11月2日には、オープニングセレモニーとガラディナーが開催されました。 年代ごとに堪能する、ポメラートの革新と精神 今回のエキシビションの大きな魅力は、アーカイブのジュエリーとともに過去の貴重な広告キャンペーンを見ることができること。ピーター・リンドバーグやミッシェル ・コント、スノードン卿など、それぞれの時代の美意識や女性像をレンズに収めてきたトップフォトグラファーによる作品が時代ごとに展示されています。エントランスで来場者を迎えるように配置された2人組の写真は、1971年にジャン ・パオロ ・バルビエリによって撮影されたもの。被写体のキャラクターとジュエリーがモダンにマッチしたユニークな構図は、まさに今回のエキシビションを象徴するものです。 上のキャンペーン写真でも身につけているのが、GEMELLE(双子)と名づけられたネックレス。優雅に波打ちセンターで2色に分かれているデザインは、1人の女性の中に宿る多面的な魅力を表現したかのような美しさ。 クールとエレガンスが絶妙にマッチした1970年のキャンペーンより。サイズの異なるチェーンネックレスをボリュームいっぱいにコーディネイトしたビジュアルは、今見てもモダンなムードを放っています。 グラフィカルな中にハードさと優雅さを漂わせるチェーンは、ポメラートが長く用いてきた重要なモチーフ。80年代に入ると、さまざまな宝石を組み合わせたさらに華やかなデザインが登場。 アルバート・ワトソンによる1985年の作品。確かなクラフツマンシップによって生みだされたリュクスなジュエリーが顔に並ぶ。単なる美しさを超えた、見る人の感性に訴えるインパクトがあります。 それぞれの石の個性や美しさを引き出す「フリージェム」精神 創業以来、ポメラートはカラフルなジェムストーンと現代的なデザインでアイコニックなスタイルの可能性を広げてきました。精巧なクラフツマンシップに支えられたジュエリーは、ミラノの職人たちにより代々受け継がれてきた技を尽くし、手作りで仕上げているのだそう。それ故、カラフルでグラマラスなジュエリーからも独自の温もりある美しさと強さが感じられます。 「フリージェム」というあえて従来のルールにとらわれない考え方・デザインを貫くポメラート。「個性の大切さを強調しつつ女性に活力を与えるというメゾンの使命から生まれた「フリージェム」とは、作品として生み出す前にそれぞれの石の性質を考慮し、ジェムストーンを選び、カットもしくは敢えてカットせずセッティングし、ジェムストーンの常識にとらわれない魅力を引き出すという、ポメラートが打ち出している宝石哲学です。 ステータスシンボルとしてではない、女性とジュエリーの新しい関係性を提案し続けて 90年代をフィーチャーしたセクションでは、さまざまな著名人をモデルに起用した圧巻のビジュアルが並びます。 ポメラートのジュエリーを身につけカメラの前に堂々と佇む女性たちは、皆が自信に満ち人生の歓びで満ちているかのよう。彼女たちから漂う「欲しいものは自分で手にいれる」自立した強さこそ、ポメラートが追求し続けるタイムレスな美しさなのかもしれません。女性がどうあるべきかを提案してきたキャンペーンは、ジュエリーの豪華さだけにフォーカスする他ブランドのものとは一線を画しています。 ポメラートを普段から愛用しているというカトリーヌ・ドヌーブのポートレイトも! ミシェル・コントによる94-95年撮影のマリサ・ベレンソン。スーパーモデル全盛期だった90年代においても、より強いキャラクターや感性をもつ自立した女性をモデルとして起用してきたことに改めて驚きました。 ペドロ・アルモドバル監督の作品でも知られるスペインの個性派俳優のロッシ・デ・パルマも、キャンペーンモデルに。個人的にもファンなので大きな写真で見ることができたのは喜び! 上海の夜景がきらめく、スペシャルなガラディナー 上海でも有数の夜景スポットである外難エリアが一望できるパーティ会場。 オープニングレセプションの後は、近未来的なロケーションを会場にガラディナーが開催。中国で人気のセレブリティやインフルエンサーが勢揃いしていました。 7年ぶりに訪れた上海は、予想以上に活気があってパワフル。外難エリアの夜景とポメラートのカラフルなジュエリーが重ねて見えた、華やかな一夜でした。.