竹内涼真が見せる50の素顔──「プライベートが充実していること」は、いい俳優にとって不可欠な要素【50 SHADES OF ME】

幼少期からのプロサッカー選手になるという目標が絶たれ、一大奮起をして俳優の道に飛び込んで11年。人気俳優となった竹内涼真が約5カ月間にわたり、ウェイトトレーニングと食事制限をして、世界的人気ゲーム「龍が如く」シリーズを実写化したドラマシリーズ「龍が如く〜Beyond the Game〜」の主人公、桐生一馬役に臨んだ。今作に懸ける想いや竹内の知られざる一面を50の質問から紐解く。

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1 Amazon Originalドラマ「龍が如く〜Beyond the Game〜」に出演を決めた理由は? 武正晴監督とご一緒させていただくのは、僕がまだ誰にも知らされていない約10年前に 映画 『イン・ザ・ヒーロー』に数秒間ポイントで出演させていただたいたとき以来です。今回、武さんが僕の名前を出してくださったという巡り合わせがうれしかった。また、とてもハードルの高いチャレンジングな役だなと思いましたが、30歳になったタイミングで大きな挑戦をしてみたかったんです。 2 プロ格闘家の指導を受けたり、厳しい食事制限を行ったそうですが? 一馬を演じる上で格闘シーンはひとつの肝なので、そのシーンをの恐怖をなくすために指導を受けました。まず一馬の基礎のスタイルを構築してから、トレーナーさんと相談しながら台本に合わせて調節していきました。格闘技のトレーナーさんとはまた別に、体を作るトレーナーさんにもついていただき、約5カ月かけて、ウェイトトレーニングをしながら食事制限を続け、少しずつ減量していきました。 3 その工程で辛かったことは? 僕は無茶な減量はしないので、ものすごくきつかったわけではないんですが、好きなものが食べられないのは辛かったです。でもそれよりは現場で思うようなお芝居ができないほうが辛い。そう思うと一番辛かったのは友達の食事の誘いを断ることですかね。 4 トレーニングと食事制限がなかったら絶対に演じられなかったと思うシーンは? 体作りから構築していった役なので全部です。 5 竹内さんご自身は、自分を追い込むことは好きなタイプですか? 仕事に関して言うと、作品を見ていただいた方々に「面白い」と言っていただけることが一番なので、たとえキツいことだとしてもやるのが当たり前だと思っています。だた、性格的には追い込むことが好きなタイプではありません(笑)。 6 義理人情に厚く、喧嘩では右に出るものはいない桐生一馬というキャラクターのどんなところに魅力を感じますか? 一馬は愛情深く、かつ気持ちを伝えるのが苦手で不器用です。彼自身を突き動かすエネルギーが大きくなっていく一方で、どんどん相手に気持ちをうまく伝えられなくなっていく。その姿が人間臭いし、愛らしいと感じました。 7 ゲーム 「龍が如く」シリーズがもとになっていますが、役作りやお芝居でどんなことを意識しましたか? 一馬がなぜ体を鍛えて強くなろうとするのか。それは心の脆さを補うためだと思いました。また、一馬の根底には親がいないことで親からの愛情を受けられなかったという欠落があります。その欠けている部分を補うためにも体を鍛えて強くなろうとする。そういった背景を踏まえて役を作っていきました。 8 竹内さんは最近海外を意識した発言をされていますが、『龍が如く』は世界に配信されます。どんな期待がありますか? 撮影現場では世界配信されることは意識せずに「本当に面白いものを作る」という目標に対して全員で向かっていきましたが、そこで生まれた熱量や高揚感によって「もしかしたらこの作品は海外にも通用するのではないか」という気持ちになりました。どんどん日本から世界に向けて作品を発信して闘っていく必要があると思っています。どういう反応があるのかすごく楽しみですね。 9 海外を意識した特別なきっかけがあったのでしょうか? 洋画が好きなので、ずっと前から自然と意識するようになりました。 10 武正晴監督とは10年前に映画『イン・ザ・ヒーロー』でご一緒したぶりだそうですが、これまでの武監督にはどんなイメージがありましたか? 『イン・ザ・ヒーロー』の出番はほんの数秒だったので。ただ、武さんの作品はよく見ていました。 11 主演という立場で改めて武監督とご一緒した感想は? 武さんがさらに大好きになりました。ドラマの舞台である神室町のキャスト400人は全員武さんがオーディションをして選んだ方々だったんですが、監督自身がそこまでやるケースはあまり聞いたことがありません。武さんだからこそ、現実なのか撮影現場なのかわからなくなる瞬間があるぐらいリアリティがある神室町が作り上げられた。それはキャストのお芝居に良い影響をもたらしたと思います。 12 「龍が如く」は1995年と2005年という2つの時間軸が交差しますが、その上でお芝居において意識したことは? 武さんとはコントラストを大事にすることで2005年のシーンが生きてくるという話になりました。1995年のシーンの後に2005年のシーンを撮ったんですが、1995年の登場人物たちは若くて世間をあまり知らないからこそ出せる熱量──色で言うとオレンジ、赤、ピンクのような温かみのあるイメージを出していきました。一方、10年間刑務所に入っていた一馬が出てくる2005年はブルーやグレー、濃いグリーンの表現にしていきました。10年間の刑務所生活を耐え抜くためには、1995年に味わっていた温かくて高揚した感情を捨てる必要があると思ったからです。一馬はそこから失ったものを回収しようとするわけですが、捨ててしまったものや心の奥底にしまってしまったものがあるからうまくいかない。コントラストを際立せることで、2005年の一馬が感じる大きなギャップが出るよう意識しました。 13 竹内さん自身、過去を振り返る方ですか? 振り返りません。 14 作品初期の舞台となった1995年は竹内さんは2歳ですが、その頃の記憶というと? ハワイ に住んでいる祖母のきょうだいの家に家族で遊びに行った記憶がうっすらとあります。 15 後半の舞台である2005年、竹内さんは12歳ですが、当時の記憶は? サッカー選手になりたくて、一生懸命サッカーをやっていました。 16 子どもの頃の自分を一言で表現すると? みんなに愛されていた甘えん坊。 17 幼なじみとの思い出は? 小学校から中学までずっと一緒にいた幼なじみとの登下校がの時間がすごく楽しかった。 18 「龍が如く」以外で竹内さんにとって最高の“ヤクザもの作品”とは? 実は僕はあまりヤクザものを観てきてはいないんです。僕の認識としては、「龍の如く」はいわゆるヤクザものではないんです。 19 「龍の如く」は桐生一馬の成長物語だけではなく、歓楽街に生きるロマンや友情など、さまざまな見どころがある作品ですが、竹内さんにとって一番見どころは? 神室町という油断したら命を落とすリスクがある町で、血は繋がっていないけれど、本当の家族になろうともがく幼なじみ4人の必死な姿。 20 今作に出演して最も良かったことは? 撮影中、周囲かスローモーションのように見えた瞬間がありました。「ゾーンに入った」という表現が正しいのかわからないのですが、自分と周りが違う時間軸になったような感覚を覚えたんです。サッカーをやっていた頃に一度体験したことがあったものの、約10年間お芝居をうやってきた中では初めての体験でした。なんとも言えない幸福感があってすごくうれしかったです。 21 現在31歳。ここ数年は 健康 に気を遣っているそうですが、具体的に変えた生活習慣とは? 今いちばんやりたいことやる、食べたいものを食べる、自分に必要なことをする、ということを徹底するようになり、より自分を大切にするようになりました。 22 30代だと実感する瞬間は? 僕は気持ち的には10代なので、ほぼありません。 23 得意なことは? 乗り越えること。 24 苦手なことは? 座学です。 25 怖いものは? 虫。 26 好きな言葉は? 「大丈夫でしょ」。 27 最近かけられて嬉しかった言葉は? 「龍が如く」で共演した河合優実さんとの取材で、河合さんが「爽やかですね」と言ってくれて、「やっぱり俺て爽やかなのかな?」とうれしかったです(笑)。 28 実践しているリフレッシュ方法は? 運動すること。 29 竹内さんに大きな影響を与えた人は? 唐沢寿明さん。 30 自分を一言で表すと? 愛情。 31 訪れてみたい国は? スイス。 32 過去と未来、覗けるなら? どちらも覗かないかもしれません。 33 明日、急にオフになったら何をしますか? 運動や勉強といったやりたいことを分刻みでスケジューリングします。「さすがに眠くなるだろうな」と思う時間まで予定を詰めます。 34 理想のオフの過ごし方は? 朝6時半ぐらいに起きて、有酸素運動をして、帰宅して、 朝食 を食べて、コーヒーを飲んで、またトレーニングをして、役の準備をして、昼食を食べて...

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とにかく全部を詰め込んで、やり遂げたい。せっかちな性格で、休日もつい忙しくてしまいがちなので、誰かに「今日それはやらなくていいんじゃない?」って言ってもらいたいです。 35 どんなときに幸せを感じますか? 組んだスケジュールが完璧に遂行できたとき。 36 最近いちばん笑ったことは? 何かあったんですよね...

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なんだっけな。面白かったことって大概すぐ忘れちゃうんですけど、辛かったことは覚えています。人ってそういうもんですよね。 37 今いちばん欲しいものは? 次作のために半年ぐらい準備期間が欲しいです。 38 特殊技能を一つ使えるとしたら、何? どの言語も喋れるようになりたい。 39 聞かれると悩んでしまう質問は? 「なんでそんなに爽やかなんですか?」──「爽やか」と言われることはうれしいんですが、理由はわからないから(笑)。 40 疲れたら何を食べたくなりますか? 疲れたときは食べるよりも運動をします。その方が疲れが取れるんです。 41 最近よく聴くアーティストや楽曲は? 小学生の頃、シカゴの「素直になれなくて」が好きだったんですが、最近またシカゴへの熱が戻ってきて、シカゴの曲ばかり聴いています。 42 最近見かけて心に残っている美しいものはなんですか? つい先日、天気が崩れている前日のサーモンピンクみたいな色をしていてとても綺麗だったので写真を撮りました。雲も不思議な雰囲気だったんです。 43 決断する時に大切にしていることは? 自分の直感を信じること。 44 役者をしていて、どんな時に難しさを感じますか? 正解が無いので全部が難しいんですが...

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いちばん大変なのは、作品に入っているときに自分自身を常にベストの状態にコントロールしておくことかもしれません。 45 今後演じてみたい役柄は? 恋愛 体質すぎて、愛情に溺れすぎてしまっていて、恋愛関係が乱れまくっている役。 46 俳優でなければどんな仕事についていたと思いますか? 考えたことなかったですね...

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。人の写真を撮るのが好きなのでカメラマンには興味があります。あと、サッカー選手。スタジアムに立って「君が代」を聴いてみたかったです。 47 仕事でこれだけは絶対にしないと決めていることは? 義務感にかられて何かをすること。 48 いい俳優に不可欠だと思う要素は? プライベートが充実していること。 49 2024年に成し遂げたいことは? もう少し英語でコミュニケーションが取れるようになりたいです。 50 50年後、どうなっていたいですか? 日本とアメリカと ヨーロッパ にそれぞれに家があって、時期によって住む場所を変えるような生活をしていたいです。「あの人。今はどこにいるんだろう?」って思われるようになったらいいですね(笑)。 問い合わせ先/フェラガモ・ジャパン 0120-202-170 Photos: Akihito Igarashi Styling: Takashi Tokunaga at SOT Hair & Makeup: Tomokatsu Sato Text: Kaori Komats Editor: Yaka Matsumoto.